2025/05/20

Taiwan Today

文化・社会

学生ピン・デザイン賞で新型コロナ対策取り入れた石鹸「ウイルス」シールなどが入賞

2020/04/24
学生を対象とした台湾のプロダクトデザインコンクール「金點新秀設計奨」の入選作品420点が発表された。新型コロナウイルス対策を取り入れたものも。最終審査は5月末に行われる。写真は「小手保衛隊」。シールの裏をはがして掌に貼り、手を洗うと石鹸として使える。(金點新秀設計奨のフェイスブックより)
学生を対象とした台湾のプロダクトデザインコンクール「金點新秀設計奨(Young Pin Design Award)」に今年は64校の146学科から合計5,856点の作品が集まった。そのうち420点が激しい競争を勝ち抜いて入選。今年度の最優秀デザイン賞などを争うこととなった。実践大学(台湾北部・台北市)からは応募した学校のうち最多の46点が入選。台南応用科技大学(同南部・台南市)はそれに次ぐ37点を入選させた。3位は崑山科技大学(台南市)で27点が入選。「金點新秀設計奨」への参加資格は、「新一代設計展(Young Designers' Exhibition、YODEX)」に参加している学校・学科の作品であること。
 
今年各部門に入選した作品が用いた題材は豊富で多元的。「産品設計類」(製品デザイン部門)の「小手保衛隊」は新型コロナウイルスの感染予防に役立つ妙策で、「ウイルス」のイラストが描かれたシールが石鹸として使えるというもの。これを手に貼った子どもたちは遊びながら手洗いが学べ、優れた習慣を身に付けることが出来るという。
 
「工芸設計類」(工芸デザイン部門)の「小圏圏」は人とネコが共に使える竹細工の家具。アイデアによって伝統工芸の技術を活用し、現代人とペットが共に暮らすためのニーズに応えている。「社会設計類」(社会デザイン部門)の「HISTO+古跡 専案募資媒合平台」は古跡を修復する上で台湾が今抱えている問題に注目、修復などに必要な資金をマッチングさせる革新的な仕組みを提示した。これにより古跡の所有者、文化資産の保存団体、イノベーション産業、ボランティアの多角的な協力をサポートする。
 
「視覚伝達設計類」(視覚伝達デザイン部門)の「字遊結社」は、近年の漢字デザインブームに対して独特な切り口を提示。台湾で過去に行われた街頭デモの中で現れた標語を研究し、力強く存在感あふれる斬新な字体を生み出した。「時尚設計類」(ファッションデザイン部門)の「瑞芳囡仔」は個人の郷愁が出発点。瑞芳(台湾北部・新北市)の山の風景と古い建物に使われたタイルの柄を服装に取り入れ、ふるさとの家に対するイメージを表現した。
 
「数位多媒体設計類」(デジタルマルチメディアデザイン部門)の「一」は、3Dアニメーションで小さいころの出来事と祖父への想いを温かく繊細なタッチで描いている。「空間設計類」(空間デザイン部門)の「半伴之院」は人口の流出が激しいコミュニティで、幼稚園や保育所とコミュニティを共生させることで温かい相互交流のルートをつなげようとするものだ。
 
今年の最終審査は「新一代設計展」が新型コロナウイルスの関係でオンラインでの開催となったのに合わせ、入選したのが実体のある作品の場合は審査会場に郵送すればよく、本人が会場へ来て説明する必要は無い。主催者側では学校を通じて賞状や賞金を受賞した学生に届けることしており、別途授賞式典は行わない。2020年度の「金點新秀設計奨」の最終審査は5月30日と31日に台北市の松山文化クリエイティブパーク(松山文化創意園区)で行われ、最優秀作品は6月2日に発表される。
 
 

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